ヒザ関節の4つの靭帯

「靭帯を伸ばした・・。」「靭帯を切った・・・。」なんて話は日常でもたまに聞きますよね。ですが、スポーツ選手になると靭帯を痛めたことをキッカケで選手生命にピリオドをつけるなんてことも・・・。とくにヒザ関節の靭帯は・・・。

膝の靭帯を痛めると

靭帯の損傷と聞いて思い浮かぶ身体の部位といいますと、”肩、肘、膝、足首“なんてところはケガなどが原因となって、靭帯を切ったり伸ばしたりするような損傷が多く見られているところだと思います。

そんな靭帯損傷の中でも、ヒザ関節に関してはスポーツ中のケガで痛めてしまうことが多いところに思います。

膝関節がスムーズに動かなくなることは運動することで大きな痛手にもなりますし、一般の人が普段の生活においても非常に不便を感じるところが多く出てきます。

膝の痛み

っと、そんなヒザ関節にも重要で大切な靭帯がいくつか存在していますが、その中でも今から紹介する4つの靭帯が損傷を受けることが多くあります。

前十字靭帯

この靭帯は人間の小指ぐらいの太さだと言われており、膝関節で痛める靭帯の中では圧倒的に多くなっているのが、この”前十字靭帯“になってきています。

前十字靭帯参照:https://www.okamotoseikei.or.jp

この靭帯を痛めてしまうタイミングには、スポーツ時での反復運動による損傷というものではなく、突発的なものが原因となって痛めることが多い靭帯になっています。

    前十字靭帯を痛める動き

  • 膝関節の過伸展
  • 脛骨の内旋・大腿骨の外旋
  • 膝関節の外反

膝関節の過伸展

サッカーやラグビーなどのスポーツなんかでは頻繁に起こることなんですが、膝の前側から受ける衝撃が原因でヒザが伸びきって、ひどい時は反対方向に曲がってしまうことです・・・。このようなことが原因になって”前十字靭帯“は損傷することが多くなっています。

膝への前からの力で痛める前十字靭帯

これに至る要因の一つに、膝関節は屈曲時は筋肉で可動域の制限はかかるのですが、伸展時は骨が動きの制限をかけてきますので、膝関節の過進展は”前十字靭帯“への負担が大きくなり痛める原因の一つになってきています。

脛骨の内旋・大腿骨の外旋・膝関節の外反

これについてはヒザ関節の”ねじれ“という感じのことになってきます。つま先が内側を向いているときに、身体というか大腿骨(太ももの骨)が外側を向くようなヒザ関節の”ねじれ“や”О脚“のようなヒザ関節の位置は”前十字靭帯“を痛める要因にもなってきます。

また、”前十字靭帯“は他のヒザまわりにある靭帯と比べて血管が多いらしいので、”前十字靭帯“の損傷時には出血が酷くなることが頻繁にあるためにヒザ関節全体がが腫れることもよくあり、この靭帯の損傷時には同じタイミングで”内側側副靭帯“や”内側半月板“に問題が現れることは多々あります。

後十字靭帯

”後十字靭帯“は親指ほどの太さがあるようなんですけど、このおかげで”前十字靭帯“と比較すると損傷することは、かなり少なくなってきています。

後十字靭帯

    後十字靭帯損傷のキッカケ

  • 膝関節の過屈曲
  • 大腿骨の前方変位
  • 脛骨の後方変位

”後十字靭帯“は”前十字靭帯“とは全く反対の運動である膝関節の過屈曲時において問題を起こすことが多くあります。ですが、”前十字靭帯“のところでも紹介したように膝関節の伸展は骨で制限がかけられ、屈曲時においては筋肉が関節の動きを制限しているので靭帯の損傷につながるケースは減少してきます。

また、大腿骨(太ももの骨)の前方変位・脛骨(脛の骨)の後方変位というのもヒザ関節の過屈曲に似てきています。

ジャンプの着時に痛めやすい後十字靭帯

これはスポーツ時、例えばバスケットボール・スキージャンプなどの大きくジャンプした際のする着地時にヒザを深く曲げ切ってしまうことで大腿骨の前方に動くのと同時に脛骨の後方にずれることで”後十字靭帯“の損傷することがあります。

内側側副靭帯

”内側側副靭帯“は膝関節の内側を安定させるという非常に重要な働きを持っています。重要な働きをしているがために、いざ損傷してしまった場合には膝関節の曲げ伸ばし等の運動時に痛みが発生してきますので、注意しないといけません。

内側側副靱帯

で、この靭帯を痛めてしまう要因として挙げられるのが・・・。

膝関節の外反

サッカー・ラグビー・バスケットボールなどの身体同士の激しいコンタクトを伴ってくるスポーツ時に起こりやすくなってきます。膝関節の外側へ強いタックルを受けるような時には”内側側副靭帯“が対応しきれずに、靭帯が伸びてしまったり酷い場合は切れてしまうことも少なくありません。

また、ヨコ方向に素早くストップアンドゴーをする運動なんかも痛める原因の一つになってきます。

  • 内側側副靱帯と内側半月板

しかも、上の図でわかるように、この”内側側副靭帯“は”内側半月板“と結合しているために”内側側副靭帯“の損傷時には”内側半月板“を痛めるケースは珍しくありません。

外側側副靭帯

膝関節の外側を安定させる働きを持っているのが”外側側副靭帯“になってきます。この靭帯も重要なものになっていますので、痛めてしまうと膝関節の動きに対して痛みが伴ってきます。

外側側副靭帯

膝関節の内反

この膝関節の動きが損傷理由になってきます。”内側側副靭帯“の損傷とはまるっきり反対の力。膝関節の内側に大きな力が加わることで”外側側副靭帯“を痛めることが多くなってきます。

ただ、靭帯損傷の頻度という点においては”内側側副靭帯“と比較しますとかなり少なくなってきます。その理由の一つに、スポーツ時で膝関節への接触としては内側のものより外側からの接触が圧倒的に多いからということになります。

また、”外側側副靭帯“は”内側側副靭帯“と異なり”半月板“と結合していないために、”外側側副靭帯“を痛めたからといって”半月板“を損傷するケースはあまり見られません。

が、”外側半月板“の圧迫での損傷に関していえば、”内側半月板“よりも”外側半月板“の方が極めて多くなっています。

という感じで、膝関節の靭帯といっても様々な特徴があり損傷するキッカケも随分違ってきています。が、ただ一つ共通して言えることは一度靭帯を損傷させてしまうと、関節はかなり不安定になってきますので同じようなケガを反復させてしまったり、まわりの筋肉にもストレスを与えてくるような後遺症が発生しやすいので十分気を付けたいところです。

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